東京・銀座にも支店を構える大人気ネオ・ビストロ。季節の食材を使ったボリュームたっぷりの料理は3皿にアミューズ・ブーシュ、プチ・フールがついて35€とお得。
閑静な住宅街の中にたたずむビストロ
こんにちは、パリナビです。パリ15区の郊外との境目にあるヴェルサイユ展示会場は、ファッションや食など、さまざまな展示会が開催され、ビジネスでパリに来る日本人からはなじみがある場所。ここから歩いて5~10ほどで行ける、評判のレストランがあります。その名も「ブール・ノワゼット」で、「焦がしバター」という意味の、なかなか食欲がそそられる店名です。
15区は住宅や商店街が多く、繁華街というよりは生活する場所という雰囲気があります。閑静な道を歩いて行くと現れるお店は、そこだけ明るく照らされているのですぐ見つかります。
落ち着いたインテリアと暖かみのある雰囲気の店内
シェフはトゥールダルジャン、ホテルリッツ、ルドワイヤンなどのグランメゾンで経験を積んだティエリー・ブランキ氏。カジュアルな雰囲気の中で本格的な料理を頂くという、パリで流行し定番になりつつあるビストロノミースタイルを提案しています。東京の銀座にも支店がある関係なのか、厨房には日本人の料理人も何人かいるそう。
お店はアイボリーの壁にダークウッドのテーブルや椅子が置かれた落ち着いたインテリア。暖かみのあるライティングにほっとします。部屋がいくつかに分かれていて、そこにお店の人が行き来するアットホームな雰囲気です。お店の人も忙しそうに働く中、ディナーのメニューの説明を親切にしてくれます。パリのお店では珍しく(笑)、サービスは抜群です。
前菜、メイン、デザートのメニューは35€〜で、前菜の前にアミューズ・ブーシュ、デザートの後にプチ・フールがつく
ディナーメニューは前菜、メイン、デザートの3皿ですが、これ以外にも前菜の前にアミューズ・ブーシュ、デザートの後にプチ・フールが出るので実質5皿。とてもボリュームがあるので、お腹を空かせて行くことをおすすめします。もちろん、小食の人はアラカルトでのオーダーも可能。
前菜8種類、メイン9種類、デザート7種類とメニュー数も豊富で、定番のものから旬のものやフランスならではの食材を幅広くアレンジしているといった印象です。メニューは一部季節毎に変わります。
ある日のメニューの例を挙げると、前菜はブーダン・ノワール(黒ソーセージ)のラビオリ、子牛の頭肉のポワレとポワロネギの酢がけ、サバの白ワインのマリネ、イカのポワレ、白アスパラガスのマヨネーズがけ、ホロホロ鶏とフォアグラのプレッセ(型でとったもの)、豚足のカルパッチョなど。メインは肉類だと豚のフィレ、子羊の肩ロース、鴨とフォアグラのパイ、うさぎのロースト、リードヴォー、魚類だとカサゴのポワレ、タラのブランダード、ヒメジのフィレ。デザートはババオラム、パイナップルとマンゴーのコンポート、イチゴのシャルロット・パイ。
人気メニューの一つ、ホロホロ鶏のプレッセ
別の日では、前菜にエビのラビオリのスープ、ムール貝のクリーム和え、メインにタラのバター&シブレットソースやニシンのブランダードやサーモンなどがありました。デザートはリオレ(米のミルク煮)や桃のコンポート、ベリーのタルトなど。
イカのポワレはさっぱりとしていて、ほんのりニンニクとハーブの味が効いていてペロっと食べられてしまいます。ホロホロ鶏のプレッセは、濃厚なフォアグラと繊細なホロホロ鶏の肉の相性が抜群。前菜はこの2つがおすすめ。
肉も魚もハズレなし、ボリュームたっぷりのメイン
ほどよい脂身と柔らかい肉を野菜と一緒に
メインは何といっても子羊が美味しかったです。とにかくお肉が柔らかくて、味もしっかりとしていて、ほどよい脂分がとろけるよう。出汁が染み込んだ野菜と一緒に食べるとワインがすすみます。2人分からのオーダーですが、お肉が食べたいなと思ったら是非こちらを。
こちらでは肉だけでなく魚も美味しいのが素晴らしい。カサゴやタラは、和風だったり、バターを使ったりとそれぞれの魚の味を引き出した調理法で感心します。魚ながらも肉厚で、やはりボリュームがあり食べごたえがあります。
シンプルながらセンスの感じられる盛りつけで、ワクワクします。前菜は軽め、メインはボリュームがあり、味付けも濃い目でワインが進み、全体的にメリハリが効いています。
大ぶりなのにちっとも重くないイチゴのシャルロット
この日のデザートはイチゴのシャルロットパイが人気らしく、たくさんの人がオーダーしていました。それも納得!大ぶりなのに、クリームが軽くてパイ皮もパリパリ、さっぱりしていてペロリと食べてしまいました。
他の日では、桃のコンポートとベリーのタルトをオーダー。桃はエストラゴンという香りの強い葉がトッピングされて、さらっと食べてしまいそうなところにアクセントが。ベリーのタルトはイチゴとフランボワーズにメレンゲとパウダーシュガーがトッピングされ、下にはカスタードクリームが敷かれています。小さなタルトながらも、かなりの満足感。
名物マドレーヌで締め
甘いものが苦手な人には、チーズもあります。あまりクセのないチーズが多いので、安心して頼んで下さい。
最後のプチフールは名物らしく、マドレーヌとココナツのギモーヴが登場。マドレーヌはコーヒーと相性抜群。ギモーヴは甘さがかなりのものなので、苦手な人はスキップしたほうがいいかもしれません。
ヴェルサイユ展示会場に来る予定の人は、食事する場所に困ったらぜひこちらでディナーしてみてはいかがでしょう。帰り際に「美味しかったです」と言ったら、「東京にもあるのよ」とカードを渡され、初めて東京店の存在を知りました。銀座にあるそうなので、パリに行く予定がない人はこちらへ是非足を運んでみて下さい。以上パリナビでした。