古くて新しいパリを見つけるならここへ。パリの歴史と現代アートが混ざり合う、フランス人にとっても人気のエリア。
13区の散歩道といえばここ
こんにちは、パリナビです。さて、パリの丘といえば、モンマルトル、ビュット・ショーモンなどが挙げられると思いますが、そのパリの丘のひとつに、ビュット・オ・カイユという丘があります。左岸の南東部、13区の中に位置し、周りの新しいビル郡に隠れるように囲まれているコミュニティ。古さを保ちつつも、最近ではパリジャンにとってもおしゃれな地区として人気があるようです。目立たないけど実は奥深い、パリの歴史を感じさせる界隈。それでは早速、歩いてみましょう。
どこにあるの?
13区の中心部ともいうべきイタリー広場(Place dItalie)から南西に徒歩5分ほど。メトロでは、5番線の終着点のこの駅のほか、6番線のコルヴィザール(Corvisart)からも徒歩すぐです。
歴史
ビュット・オ・カイユ=うずらが丘と訳されることもありますが、名前の由来は、16世紀の地主、カイユ氏から取られたもの。
その昔は風車が並び、ビエーヴルという川が流れていたのですが、現在は地面の下に埋まっています。川の水を利用した産業が主な工場地帯だったこの町、実は、18世紀後半に人類が始めて気球船の飛行に成功した場所なのだそうです。
1871年には、労働者政権のパリ・コミューンが、ヴェルサイユ政府軍と戦った最後の砦となります。
昔からの労働者の町ならではの歴史ですね。というわけで、とっても庶民的な界隈だということがお分かりいただけるでしょう。90年代から再開発が進み、レストランやバーなどが増えて、今では人が沢山集まるようになってきました。
「さくらんぼの実る頃」と言う名のレストラン
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お値段もお手ごろ
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散策してみましょう
<路地>
二階、三階建ての家が多いこの界隈。下が石灰質なため、高い建物は建てられないのです。石畳の坂道は絵になります。細い路地が複雑に混ざり合い、ちょっと迷子になってしまいそう。そんな時は直感を頼りに歩いてみても?思わぬところから元の道に戻っていたりして。
<サンタンヌ教会>トルビアック通りとボビヨ通りの交差点に立つ、19世紀に建てられたビザンチン様式の教会。
近所の人達によるバザーが開かれることもあります。丘の上からこの教会のドームが垣間見られるのがとても絵になります。
<プール>1920年代に建てられた、アールヌーヴォー調の赤レンガが目を引くプール。地下水を利用して、水温は28度に保たれています。夏の暑い日などは、表に行列ができるほど。
<小さなアルザス>
バロー通りからダヴィエル通りを入ったところに、可愛いレジデンスを発見。Petite Alsace(小さなアルザス)と呼ばれています。周りの建物とのギャップが楽しい。
<ミス・ティック>通りのいたるところに壁アートが見られるのもビュット・オ・カイユの特徴。色んなアーティストがそれぞれの個性を発揮していますが、この界隈で中でも代表的なのは、ミス・ティックでしょう。80年代から活躍している彼女の作品は、モノトーンの切り抜きアート。言葉遊びのしゃれの効いたメッセージが加えられています。散策しながら、お気に入りのストリートアートを見つけるのも楽しいかも知れません。
個性的なお店たち
ナビが気になったお店を紹介します。
<はちみつのお店>
レザベイユ Les Abeilles
パリ・コミューン広場の近くに位置する93年創業のはちみつ専門店。フランスだけでなく、世界各国からのはちみつを揃えています。メニューにはなんと日本語表記が。日本人のお客さんも多く、日本へ出荷もしているそう。はちみつの量り売りもしているので、お客さんが容器を持って買いに来るとか。他にも、はちみつを使ったろうそくやお菓子など、小さな店内に沢山の商品が並んでいます。はちみつ好きにはたまらないお店。
<編み物が出来るサロン・ド・テ>
ロワジーヴ・テ LOisive Thé
ジャンマリー・ジェゴ通りとビュット・オ・カイユ通りの角にある、何とも可愛いサロン・ド・テ。オーナーのエイミーさんはアメリカ人。もともと会社員だっ たエイミーさんは、「紅茶も編み物も大好き。だから、お茶しながらのんびり編み物が出来る空間を作りたかった」と2008年にオープン。水曜日には編み物 ナイトを開催(要予約)。紅茶は常時70種類。ランチもあり。クッキーやスコーンなどをテイクアウトしていくお客さんも。午後のひとときをゆったり過ごせ そう。
<おみやげならここで>
パリ・ミティック Paris-Mythique
サンク・ディアマン通りにカラフルな雑貨店を発見。と思ったら、観光案内所も兼ねているパリみやげのお店。外国からの観光客だけでなく、他の地方のフランス人や、地元の人達までもが、お土産にとここの品物を買っていきます。ビュット・オ・カイユの歴史本から、最近のストリートアートグッズにいたるまで、沢山のアイテムを幅広く揃えています。オリジナル商品からもちろんオーソドックスなパリみやげも。普通のお店ではつまらないという人、おススメです。
いかがでしたか。範囲にしてみればそんなに広くはないのですが、その中に見どころがたっぷり詰まっています。パリには珍しく日曜オープンのお店が多いのも嬉しいですね。週末には地図片手に訪れる人達の姿もよく見られます。新旧のパリを感じられる「うずらが丘」にぜひ足を運んでみて下さい。以上、パリナビでした。